第1レース・3

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第1レース・3

俺、獅子雷音(ししらいおん)には妻と子がいる。 見た目からか他人からちょっと距離を置かれる事が多く、初めて見る人には怖がられるような顔つきと、体の大きさをしている。その名の通り、立派なタテガミのような剛毛も威圧感の要因になっているのだろう。 それ以外はどこにでもいる普通のサラリーマンだと俺は思う。ちょっと声が大きく、態度と体がデカイだけだ。 いつも通りの毎日を過ごしていたはず。 なのに、急にスマホから警報音が鳴ったかと思うと、訳のわからない世界に連れてこられた。 「何だこのウマ野郎は」 突然、ウマ蔵と名乗るキャラが浮かび上がり散々、訳のわからない説明をされた。 「生き残りたければ?ふざけんなっお前っ。俺が死んだら誰が家族を養うんだよ!」 これほどの大声を張り上げて威圧しても全く動じない。この俺が力を込めて閉じ込められた壁やドアやガラスに衝撃を与えてもびくともしない。 この技術に俺は力では敵わないと悟り、冷静にレースとやらを突破することにした。
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