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(16)青い眼はきれい
(青い眼はきれい)
(灰色の眼は欲張り)
(黒い眼は不吉)
(茶色い眼は妖精さん!)
アイビーという少女の話だ。
アイビーは、普通の少女だった。
綺麗な物が好きで、特にビー玉が好きだった。
色とりどりのビー玉を太陽にかざしては、宝石のようにキラキラと光るのをうっとりと眺めていた。
そんなある日、アイビーはブライアンという少年に出会った。
ブライアンは、虹色の眼だった。
光の加減で揺らめき輝くまるでオパールのような瞳に、アイビーは一目で恋に落ちた。
ブライアンの眼が欲しい、と思った。
アイビーはブライアンに、眼をくれないかと懇願した。
ブライアンは断った。
しかしアイビーは諦めなかった。
無理やり奪おうとして、アイビーはブライアンの眼に手を伸ばした。
するとどこからかカラスが飛んできた。
光る物が好きなはずのカラスは、虹色に光るブライアンの眼ではなくアイビーの灰色の眼を奪った。
眼を抉られたアイビーは、もうその眼に美しい物を映すことは無くなった。
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