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(7)一人の男が死んだのさ
(一人の男が死んだのさ)
(とってもだらしがない男)
(頭はベッド 手足は部屋中ばらっばら)
(散らかしっぱなし 出しっぱなし)
スティーブという少年の話だ。
ある日、スティーブが学校から帰ると父親が死んでいた。
父親の身体はバラバラにされていた。
頭はベッドに。
手足は床に。
胴体はテーブルに。
臓物は棚に。
血は部屋中に。
バラバラになった父親を見てスティーブは言った。
直さなきゃ、と。
スティーブはバラバラになった父親のパーツを一箇所に集めると、1個1個丁寧に組み立てた。
まるでプラモデルを作るように、パズルをはめるように。
長い時間をかけて、スティーブは部屋中にあった父親を1つの体にした。
しかし、体は元通りになっても父親は生き返らなかった。
また男性器だけが、どこにも無かった。
スティーブは泣いた。
犯人も男性器も、まだ見つかっていない。
スティーブは未だに探しているそうだ。
それが犯人なのか男性器なのか。
スティーブしかわからないが。
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