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(22)お利口さんはヤブの中
(お利口さんは ヤブの中)
(目玉がぽんぽん 飛んできた)
(今度は 隣のヤブの中)
(目玉がぴょいっと 引っ込んだ)
ジーニアスいう少年の話だ。
ジーニアスは、普通の少年だった。
ある日、ジーニアスは藪の中にキラキラした物を見つけた。
何だろう、と思いジーニアスは藪の中を覗いた。
すると突然、藪の中から長い腕が伸びてジーニアスを抱き込んだ。
お利口さんのジーニアスはわかった。
藪は草木ではなく、生き物の体毛だったこと。
藪は毛むくじゃらの化け物だったこと。
キラキラした物は化け物の眼だったこと。
バリバリバリ、と音を立てて化け物はジーニアスを食べてしまった。
ふう、と息を吐いて化け物は森の奥に行ってしまった。
ジーニアスの小さな目玉だけが残された。
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