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(24)小さなテイ・ウイ
(小さなテイ・ウイ 海に行く)
(ボートに乗って ゆうらゆら)
(ゆらゆら ゆられているうちに)
(ボートが ひっくり返ったよ)
(はいはい これで おしまいだ)
ボーターという少年の話だ。
ボーターは、普通の少年だった。
ある日、ボーターが海に行くとボートが打ち上げられていた。
ボロボロのボートには、底のないバケツと柄が折れたオール。
小さな骸骨が横になっていた。
ボートの中は無数の手形や爪で引っかいたような傷がついていた。
「おかえり、僕のテイ・ウイ」
笑って、ボーターは骨の手を握った。
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