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(25)火ばし
(足が長くて)
(背は高い)
(頭は小さい)
(目玉はない)
(これだあれ?)
トンガーという少年の話だ。
トンガーは、普通の少年だった。
ある日、トンガーは下校途中に不思議な男を見た。
足が長くて背が高い、小さな頭の目玉がない男だった。
まるで火ばしのような男だな、と思った。
カツカツ、カツカツと金属が石を弾くような男はトンガーの前を歩いていた。
カツカツ、カツカツ。
家に近づく度に、何か焼け焦げたような臭いがした。
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