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(5)母さん私を殺したよ
(母さん私を殺したよ)
(父さん私を食べている)
(兄弟私の骨拾い)
(大理石の下 埋めた)
ミーティアという少女の話だ。
ある日の朝、ミーティアは殺された。
ミーティアを殺したのは、実の母親だった。
母親はミーティアを料理した。
ミーティアの肉は焼いてステーキに。
ミーティアの内臓は煮込んでシチューに。
ミーティアの血は濾してジュースに。
ミーティアの骨はスープに。
不要な部分は息子たちに捨てさせた。
全てミーティアの父親がたいらげた。
息子たちが泣いているのを村の大人たちが見つけて、事件が発覚した。
ある大人が母親に問いかけた。
何故ミーティアを殺したのか、と。
母親は答えた。
夫に美味しいと言って貰いたかった、と。
母親は料理が下手な訳では、なくむしろ上手い。
そんな彼女が何故娘を殺したのか。
理由は明らかになっていない。
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