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後悔
「お前、キモいんだよ」
「学校、来んなよ」
「早く死ねよ」
--また、いつもの夢だーー
羽柴敦(中学一年)は、ゆっくりと目を開けた。
ここ最近、同じ夢ばかりを見ている。
だが、この時点では、勢いよく起き上がることもなければ、冷や汗で全身びっしょりということもない。
何故なら、夢の中で羽柴は、いじめる側の人間だからだ。
その記憶は小学五年生の時まで遡る。
初夏の日差しの眩しいグラウンド、体育の授業中、羽柴が当時好きだった小林好江に見惚れていたら、親友の松坂智樹が、急に大声を出した。
「お前、小林の事、ずっと見てただろう。好きなんとちゃう?」
クラスメート全員が、一斉に羽柴を見た。
担任も、一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに微笑んだ。
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