氷解

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 一度言葉として認識してしまうと、最早そう言われているとしか思えなくなる。  そして今度は意識してその言葉だけを拾い、無理やりでもその言葉だと解釈してしまう。  松坂の脳は、『だいきらい、しんで』の言葉で埋め尽くされてしまったのだ。  こうなるともう、これは病気ではない。  この時期であること。松坂がそうなった事。羽柴が今そうであること。  ここから導き出される答えは、一つだった。 ーーこれは、小林の‥‥‥--
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