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小林の霊がこの世に存在していて、これは呪いなのだと羽柴は感じた。
一年目は松坂、そして二年目は自分が狙われたのだ。だから最近になって、あの時の夢を見るようになったのだ‥‥‥と。
そうと思うと、羽柴は覚悟を決めた。呪うなら呪えばいい。元はと言えば自分が悪いのだ。
死ぬにしろ気が狂うにしろ、小林に呪われるのなら、むしろ本望だとさえ考えた。
間接的にとはいえ、自分のせいで命を絶った彼女の手に掛かるなら。
大好きな彼女がそれを望むのなら。
まだ中学生の羽柴ではあったが、この世に未練などというものはなかった。
羽柴がそんな事を考えている間にも、テレビから聞こえてくる声は、どんどん減っていった。
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