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次の日から、羽柴は露骨に小林をいじめるようになる。
決して手を出すような真似はしなかったが、それでもその言葉の暴力は、日を追うごとにエスカレートしていった。
二人は、言わずの両思いだった。
だがそれも、こんな些細なきっかけで簡単に壊れてしまうのだ。
「キモい」
「学校来んな」
「ブス」
「死ね」
羽柴にとって、最も言いたくない相手に、心にもない言葉を積み重ねる日々が続く。
小林にとって、最も言って欲しくない相手からの、悪口を浴びせられる日々が続く。
どちらかが素直になれていたら、あるいはこのような悲劇は起きなかったのかもしれない。
だがそれも、たらればでしかなく‥‥‥
夏休みを待たずに、小林はマンションの屋上から一歩を踏み出した。
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