ある日、午前3時のコンビニ。

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 「マコト君、急な変更になっちゃったけどシフト入ってくれてありがとう」  「いえいえ、今日明日と特に何もありませんから」  「ちょっと前に入ってきたばかりなのに申し訳ない」  この日は水曜日だったが、いつも入っているシフトの曜日ではなかった。この日に入るはずだった同僚の男性店員が母の急病と緊急入院による諸準備の為に休む事になり、いつも日曜日と月曜日に入るマコトが代わりに勤務する事になった。  マコトが働くこのコンビニは大手コンビニチェーン『シロクジハウス』の新しく出来たばかりの本部直営店で、一緒に夜勤に入る店長は職場研修の一環で働いている若手社員である。各駅停車と急行が停まる地方都市の駅のメインストリート沿いにあり、平日の朝と夜の通勤帰宅ラッシュの時だけでなく休日もひと勝負に打って出るギャンブラー気取りの方々などで常に多くの客で賑わっているのがこの店の特徴である。  「お疲れ様です」  「お疲れ~」  午後10時を迎え、夕勤の同僚店員がカウンター奥の事務所に退き、入れ替わるようにマコトと店長がカウンター内に入った。翌日木曜日午前8時までの夜勤が始まった。
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