最期のシフト

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「――まで、残り僅かとなりました。周辺の住宅は、異様な静けさに包まれています。また一方で、空き巣などの事件も多発しています。先程、T県のU市の住宅で、何度も殴られ殺されたと見られる女性の遺体も発見されました。どうかこのような事件が繰り返されませんように。最後の――」 ***  ピロリン、ピロリン。  自動ドアを抜けると響く、軽快な音。しかし岡本は無表情のまま、傘立てに傘をそっと入れる。  溜息をつこうとした、その時だった。 「あれっ、店長」  子供っぽい声に、はっと顔を上げる。レジカウンターに立っていたのは、バイトの五十嵐だった。 「いらしたんですね。流石に、来ないかと思った」  にこりと笑う彼に、岡本は驚いた表情のまま尋ねる。 「……どうして、君が此処に」 「どうしてって……今日俺、シフトですよ?」  当然のように言った彼に、岡本は少々呆れた表情を浮かべて言った。 「……今日くらい来なくてもいいんだがな。地球最後の日くらい」
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