その2。 ワルダクミ

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 吹雪を切って吹き抜ける風。大空が()えぬける。 暴風の様な雪と風に(たた)かれ、アレンはモロに()まった。 必死で雪をかき分ける。  「・・プハァー!!」  息が出来る! ゼイゼイ、言ってる。 新雪に体を長々と伸ばし、()い出た所で気が付いた。 もうちょっとで俺、死ぬとこだった?  頭上を見た。雪と風が叫んでる。 そして見えた。雪鳥だ! あの時の親だ。 羽ばたく軌跡(きせき)が吹雪を切り裂いた。 群れ並ぶ雪稜の中の1つへ、向かってゆく。 あそこだ。 そしてアレンはよじ登る、崖越(がけご)しに見た。 ピーピーピーピー。 赤ちゃんは産まれていた。  でも、生きてるよ。親の3分の1も無い姿。 生きてるよ。白くてかわいい雛。  でも・・でも・・・。
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