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ケロッとした声を返しても、風の精霊は笑わない。
「ねぇ、いつもみたいに笑ってよ。どうしたの」
「何をする気だ」
アレンはムッとした。
なんか俺、怒られてるみたいだ。
いつだったか、何かろくでもないことしたら、
怒るよりも、そう言う顔された。
父様じゃなく、ゼオルグがそう言う顔するんだ。
何だ、エンジェルもそういう目で見るんだ。
エンジェルにゼオルグ。よく似た二人。
「何だよ、俺が何しようと勝手だろ」
「それで雪鳥に追われて、こんな所に逃げ込んだのか」
「逃げた?」
「追われるようなことをしたから、だからアイツは攻撃した。
雛を生け捕りにでもする気か」
「何だ、分かってんじゃないの?」
アレンは続けた。
「でも生け捕りになんかしない。死んでてもいいんだ。
俺が欲しいのは、雛の体内にある鉱石だから」
「雛の体の石を取る?」
「うん。」
「それが何を意味するか分かってるのか?」
「うん。」
「お前はそんなことをする為に、あの親子に近づいたのか!」
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