その2。 ワルダクミ

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    ケロッとした声を返しても、風の精霊は笑わない。 「ねぇ、いつもみたいに笑ってよ。どうしたの」 「何をする気だ」 アレンはムッとした。 なんか俺、怒られてるみたいだ。 いつだったか、何かろくでもないことしたら、 怒るよりも、そう言う顔された。 父様じゃなく、ゼオルグがそう言う顔するんだ。 何だ、エンジェルもそういう目で見るんだ。 エンジェルにゼオルグ。よく似た二人。 「何だよ、俺が何しようと勝手だろ」 「それで雪鳥に追われて、こんな所に逃げ込んだのか」 「逃げた?」 「追われるようなことをしたから、だからアイツは攻撃した。 雛を生け捕りにでもする気か」 「何だ、分かってんじゃないの?」 アレンは続けた。 「でも生け捕りになんかしない。死んでてもいいんだ。 俺が欲しいのは、雛の体内にある鉱石だから」 「雛の体の石を取る?」 「うん。」 「それが何を意味するか分かってるのか?」 「うん。」 「お前はそんなことをする為に、あの親子に近づいたのか!」
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