その2。 ワルダクミ

10/11
13人が本棚に入れています
本棚に追加
/89ページ
 「方法が無いのに・・それしかないのに・・」 「ビルディの薬も効かなくなって。母様や(みんな)で支えてるけど。 父様・・このままじゃ・・・俺・・怖いよ・・。 怖いんだ。父様・・・居なくなったら、どうしよう。」 「・・俺・・どうしたら。」 ポロポロ涙がこぼれる。 「エンジェルなら分かるでしょ!エンジェルだって、 何を犠牲にしても、大事な女性を取り戻そうとしたじゃないか⁉」 びくっとエンジェルが震えた。 「願いを(かな)える(ため)に、自分を通しちゃダメなの⁉」 「誰かの事なんて考えてる場合じゃないもん。 エンジェルは自分がしようとしたことは、(たな)に上げて、 俺だけにそう言うのかよ!」 ヒックヒック・・声が詰まる。涙でかすれる。 それでもアレンは声を、張り上げた。 「ズルイよエンジェルは。自分は今は幸せな(くせ)に。 俺だけを・・俺だけを!」 「悪者にしたきゃ勝手にすればいいだろ」 「お前のいう事なんか聞かない、絶対効かない、絶交だからな!」  
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!