その2。 ワルダクミ
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風が叫んで俺を吹き飛ばす。 また崖から転落しそうになって、必死に崖に
縋
(
すがり
)
り付いた。 風は止んでいた。 雪を吹き飛ばす勢いごと、俺を突き抜け、風は消えた。 西風が消えた。 エンジェル。怒って行っちゃった? フン。勝手にすればいいさ、エンジェルに俺を止められるもんか。 俺、絶対に聞いてやらないもん。 アレンは崖上へ体を引き上げ、谷底を登り切った。 目指すは、雪鳥の雛だ。
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