その2。 ワルダクミ

11/11
13人が本棚に入れています
本棚に追加
/89ページ
 風が叫んで俺を吹き飛ばす。 また崖から転落しそうになって、必死に崖に(すがり)り付いた。 風は止んでいた。 雪を吹き飛ばす勢いごと、俺を突き抜け、風は消えた。 西風が消えた。 エンジェル。怒って行っちゃった? フン。勝手にすればいいさ、エンジェルに俺を止められるもんか。 俺、絶対に聞いてやらないもん。  アレンは崖上へ体を引き上げ、谷底を登り切った。 目指すは、雪鳥の雛だ。
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!