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その1。 雪鳥
大きい!
アレン・ダンテは手を伸ばし、それを引き寄せた。
目の前に大きな卵がある。
なんと40cm。何の卵だろう?
「アレン、何してんの」
双子の妹のデビーが、背越しにじゃれて来た。
「わっ、待て。落ちる」
アレンは体を支える右腕に、力を込めた。
彼が居るのは岩棚。
垂直どころか反対に傾斜した角度に、
アレンはのけぞるようにぶら下がっている。
雪に足場はもちろん、ほとんど無い。
それでもスルスルとここまで登ってきたが、変な体勢のまま
片腕でぶら下ってる所で、背に妹の体重という負荷が、かかった。
小さな子供の体は当然のように、バランスを崩した。
卵を抱えたまま、雪ごと落ちる。
落ちたら、卵が割れる!
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