図書館の君

出会い

視線を感じたのか彼がふっと、本から顔を上げ、視線の先を探し始め、私と目が合ってしまった。
私は動揺しながらも無視をするわけにもいかず、彼に向かって小さく会釈をして、図書館を後にした。
家についてからも、ずっと胸がドキドキしていた。
あんな風に初めて見た人から目が離せなくなるなんて初めての経験で、彼に対しても、どんな対応をしたら良いか分からなくなるほどだった。