悪魔さんとの出会い

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悪魔さんとの出会い

 悪魔さんは、話すのが下手だ。 「ねぇ、何かお話しして!」 「あァ、ぃイぞ。」  でもその下手くそな話し方が、私は実のところ嫌いじゃない。  悪魔さんと私が出会ったのはちょうど三ヶ月前。  私の、余命宣告がされた日だった。  その日は、小学校の健康診断で心音に異常がみられたから、大きな病院に行った。  色々な検査を受けたあとお母さんだけが先生のところに呼ばれたけれど、何となく気になってこっそり中の会話を盗み聞いてしまったのだ。 『残念ながら娘さんは、あと4ヶ月もつか分かりません。  我々も最善を尽くすつもりではありますが、覚悟はしておいた方がいいでしょう。』  しばらく、先生が何を言ったのか分からなかった。  わたし、しんじゃうの?  泣きそうになったけど私が泣く前にお母さんが泣き出したから、私は堪らず飛び出してお母さんに抱きついた。 『お母さん、泣かないで。』  そう言った私をお母さんは痛いくらい強く抱き締めて、ずっと『ごめんね、ごめんね…!』と言い続ける。  違うよ、お母さんが悪いんじゃないよ…!  いつの間にか私も涙をこぼしていて、しばらく二人で泣き続けていた。  すぐに入院しなければいけないと言われて、私は初めてお祖母ちゃんの家以外でお泊まりをすることになった。  でも初めての一人部屋だし、寝ようとすると目を瞑ったらもう二度と目を覚ませなくなるんじゃないかと怖くなって眠れない。  だから怖くてずっとベッドの中で泣いていると、突然扉が開いた。 『まダぉきテる、ワルいコのにぉイがスルぅゥ…!』  耳の生えた二足歩行の真っ黒いよく分からない生き物が、ゆっくりとこちらを向く。  怖い、とは不思議と思わなかった。  いや、いっそその漆黒の見たこともない生き物を_______。 『きれい…!』  そんな風にすら感じた。
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