子サルが辞める

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子サルが辞める

 ある日の事だ、カバさんから驚くことを聞かされた。 「陸島さん、辞めるんだって。」  え、僕まだそんなこと聞いてないんだけど! 「僕は基本止めないんだけど良いかな?あの人、教えても成長しないし。」  う~ん複雑なところだ……。止めないと人はいなし……、でも馬鹿が減ると思うと……。 「うん、良いと思います。あの人、一月に十四回は休むし、まあ何とかなると思います。」  こうして、子サルはなんの問題もなく辞めていった。辞める理由が僕が嫌いだからと言うのは少々呆れたけど。  まあ、遅番なんて簡単だから誰でもできるし、いざとなったら一人でもできる仕事量だし……。 しかし、流石は動物園、奴らは騒ぎたくなってしまうのだ。 *  *  *  *  *  シフトを作ってみたが、やはり親サルの一人遅番がいくつか出来てしまう。  そこで、他の人と組ませようとすると、まず騒ぎたくなったのがタヌキズの一人崎永だ。 「私は陸島さん親と組みたくない」  わざわざ強い口調で主張してきた。  仕方がないから崎永も一人遅番させるしかないと考えた。  しかしここで彼女はとんでもない馬鹿差を発揮した。 「私、オバケが怖いから一人遅番やらないから」  はあ?こいつ頭おかしいんじゃないのか?  てかてめえは、火、金曜日固定休で更に希望休二回もとって人より休んでんだから、ちっとは我慢してやれやボケ、クソが。  と言っても動物は発狂するだけだから仕方がない。  しかもご丁寧に彼女自信でこの恥を施設中に言いふらして回ったらしく、後日、私がフロワーに用があって上がった際には看護師さんの間で笑いの種となっていた。 「聞いたわよ~オバケがって騒いでるんだって?ぷぷぷ大変ね~。」って。  馬鹿過ぎる。僕だったら……って言うか常人ならばこんな状態耐えられない。しかし、奴は平然と、それが当たり前と言ったようにその後も生活していた。  とりあえず崎永タヌキさんには何を言っても仕方がないと思った。
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