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「見つけたわよ!ヤミー少女!!」
そこで現れたのはカッコいい服を着た(恐らく)敵のお姉さん。
「あなたが神か!?」
「は?」
「流石に敵さんの前で変身とか出来ませんよね!無防備ですからね!
という事で変身はせずに戦いましょうヤミーンさん!」
珍しくテンション高めにヤミーンさんにそう言ったけれど、ヤミーンさんはそれには答えずに敵さんの方へと近づいていく。
……どうしたんですかね?
「はじめまして!
君はウチの敵対勢力の__ブラックシックの人でよかったかな?」
にこにこと話すヤミーンさんに若干驚きながら敵さんは「えぇ、そうだけど……?」と答える。
「オッケー☆
じゃあ単刀直入に言うねっ!」
あっ、これまでの経験で分かる。
これはヤバい。
「空気、読めよ。」
「ヒッ」
「せーっかくあと少しでその子の馬鹿みたいなポーズとセリフを録画できたのに何邪魔してくれてるの?なんなの?
あぁ、今すぐ消されたいってことだね?だったら今すぐここで存在抹消させてあげるから安心して三下のセリフでも吐いて消えてくれるかな。」
怖い怖い怖い。
私でも怖いのに初対面のお姉さんは……!
「すっすみません!!!!!」
うわぁ、めちゃくちゃ怯えちゃってるじゃないですか……。
「んじゃあやり直せ。
次は無いから覚えとけよ。」
「わわわわわ分かりましたぁぁ……!」
……こうして、初めての敵は去っていきました。
「さぁて。
変身、しよっか!」
振り向いてそう言うヤミーンさんの目は残念ながら笑っていない。
このまま素直にやって社会的に死ぬか、ヤミーンさんに殺されるか、か。
……どちらにせよ、やはり短い人生だった……。
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