ヤミー少女、魔法を覚える。

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ヤミー少女、魔法を覚える。

 こんにちは、先ほどブラック企業に半強制入社__もとい、ヤミー少女になった凛です。 「さてっ、まずは一応魔法少女の一種であるヤミー少女として、魔法の一つや二つ使えるようにならないとね!」 「魔法……!」  ちょっとメルヘンだ。  魔法少女の一種ということはやっぱり空を飛んだりとか出来るんですかね? 「はい!じゃあこのステッキを持って『空を飛ぶ』って言ってごらん?」  なんか某ゲームにありそうですね……。  なんてことを言ったらまたヤミーンさんによって怖い思いをさせられなければいけなくなりそうなので、口には出しませんが。 「えっと、『空を飛ぶ』……?」  そう言った瞬間、黒いモヤモヤが私の周りを取り巻く。 「よし、じゃあその状態で自分は浮くと信じて歩いてみて?  イメージするんだよ、空中を歩けるって!」  イメージ、イメージ……。 「あの……出来る気がしないんですけど……」  そう言うと、ヤミーンさんが「そっかー……」と少し何かを考える素振りをした。 「じゃあ、参考として高いところから紐無しバンジーでもしてもらうしかないねっ!」 ……え。 「それはあの……痛そうなのでちょっと……」 「うん。なら『出来る気がしない』んじゃないよね。  『やる』か『ボクによってのシゴキ』か、だよね?」  ……気のせいでしょうか。 彼の質問が、『難題をこなすか苦しんで死ぬか即座に選べよ?』 という風に聞こえたのは……。  いや気のせいじゃないですね、ヤミーンさん目が据わってました。怖い。 「ガンバリマス……」
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