ヤミー少女、魔法を覚える。

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 自分の周りに浮かぶ黒いモヤモヤ、このよく分からないものがあるということはきっと魔法が使えてるっていうことですよね。  だから私は空を飛べる……!  というか飛ばないと苦しめられて最後には息の根をきゅっとされてしまう!!  飛べる飛べる飛べる飛べる飛べる……!!よしっ!  一歩、空中を歩けるとイメージしながら踏み出す。  と、足の裏に何かを踏んだような感覚がした。  そのまま左足も前に出すと……! 「歩、けた……!」 本当に歩けてる……!!! 「ねっ?僕の言った通りでしょ?  だからこれからは俺の命令にうだうだ口答えすんじゃねぇぞ?」 「は、はいぃぃぃ……!!」  内心早くしろよってイラついてたんですねすみませんゴミのクセに手間取らせましたすみません…。 「分かればいいんだよっ☆」  そう言いながらヤミーンさんが私の方にカメラを向けて写真を撮った。 「因みに今の君は周りからみたらこーんな感じ☆」  その写真に写っていた私は、青空の中に浮かび、この世のものとは思えないような、黒いモヤモヤ…。 「………………これ、周りから見たら亡霊ですよね……?」 「まぁヒトガタの黒いモヤモヤだからね!  っていうか君ヤミー少女だよ?  夢と希望を武器に戦う日曜の朝からやってるような可愛いのじゃないんだよ?  武器にしてるの病みだよ?  メルヘンな見た目とかになると思ってたんだったらもう二度とそんな淡い期待はしない方がいいねっ!」  ……そうでした……。  私の武器、病みでしたね…。  高校二年生、春。  現実を見せられました。
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