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「どうせ、僕は底辺だし。深海魚だし。誰かが僕の駄文を読んでくれるだけで十分。こんな広大なネットの世界で、滄海の一粟みたいな僕の作品が拾われるという奇跡。それだけでも満足しないと――」
「まさか、罰が当たるなんて言わないわよね?」
「そのまさかさ」
ボソッと答える翔の顔を覗き込んだミナコは、肩をすくめた。
「……じゃあ、何のために書いているの?」
翔はポリポリと頭を掻く。
「僕にどうして欲しいの?」
「質問に答えていない」
「いや、質問の意図がわからないから」
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