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 ――とにかく、書きたい。いっぱい、書きたい。それを、投稿サイトにアップしたい。  それが目的になっていた。  ――誰かに読んでもらいたい。一人でもいい。0でなければいい。  それで満足していた。  ――でも、アップされた小説は、納得して書いたものなのか?  公開した以上、そのはずだが、改めて問われると答えられない。 「たぶんだけど、自分が感動する場面とか感動する台詞とか言いたいメッセージとかがあって、それを書きたい衝動で書いている。だけど、それだけじゃ短すぎるから、それの前後にデコデコって書いて体裁を整えている。そんな気がする」  ミナコの言葉に翔は、そういうものか、と受け止め、自嘲気味に笑う。 「何、納得しているのよ。少しは、反論してよ」 「……そうは言われても、確かに粗製濫造なところあるから。週一回アップしているのを目標としているし――」 「そのノルマ的執筆行為がダメなの」 「……なんで?」
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