深夜3時のティータイム

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ガタガタ、ガタガタ、 古いせいで動きの固いキーボードを、親の仇のように力強く叩き続ける。 今日の打合せ三件分のまとめと報告書、明日の打合せの資料と、他進行中の案件の指示書。 チラリと時計を見れば深夜十二時を回っている。だけど仕事の山は山のまま。 状態が悪化して急遽産休に入った同僚の仕事が全部私に回ってきた。 引き継ぎも皆無な状況で必死に食らいつきこなしている自分に、正直な話、酔っている部分はある。 私、スゴイでしょ。 これだけの仕事回しちゃってるわよ。 みたいな。 というか、そうでも言わないとやってられない。 そもそも産休に入る女性の仕事を、社内にいる他の女性社員だけで賄う意味がわからない。 いつか私も産休に入るから? いや、それ、本当に意味わかんない。 うちの部署、女性二人だけだし、私が今倍の仕事しているってわかっているのだろうか? 二人分の給料払えって話だ。 産休を取る事が悪いんじゃない。 むしろ、今後の働き手となるお子さんを産んで育ててくれるのだ。 家庭を作らず、できる予定のない私は、彼らの健全なる成長に貢献するべきである。 ただ、そこに性別は関係ないでしょ?って話。
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