深夜3時のティータイム

10/17
前へ
/17ページ
次へ
…… 「レイコさん!お店閉めるから、起きろ!」 身体を大きく揺さぶられて、嫌々ながら目を開ける。 目の前には知らない顔。 いや、昨日の夢で見たバイト君。 夢? あれ?何処から何処までが夢で、今何処だ? ガタッと立ち上がって周りを見れば、そこは夢であるはずのカフェ店内。お客はもう誰もおらず、窓の外は明るくなり始めている。 時計を確認すれば、五時少し前。 「って、何で私の名前知ってんの?」 「自分で名乗ったろ。覚えてないのか?」 お酒で記憶を飛ばした事なんて無いのに、あまりの事態に頭が追いつかない。 「何処まで覚えてないか知らないけど、来週の深夜三時、予約入れたんだから来いよ」 「予約?私が?」 「コタローさんが連れてくるから、絶対に来いよ」 戸惑う私を店から追い出しつつ、バイト君は念を押す。 「来週の深夜三時だからな」 店の外に押し出され、扉が閉められた。 予約した覚えなんてないが、もしこの店が本当に死者と会える店で、もし本当に予約を入れていたとしたら、連れてこられる死者には心当たりがある。 本当に会えるのか。 本当に会えたらどうするか。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加