深夜3時のティータイム

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バカな人だと思った。 だけど、他人がバカだと思う事でも、自分にとって大切ならやり通す。そんな彼を好きになってしまったのだ。 そして、私が好きな彼のまま行動したのだ。 私はユキトの頬に手を伸ばした。 その手は空を横切る。ユキトに触れない。 「何で!?他の人は触れてたじゃない!」 立ち上がってバイト君に怒鳴れば、彼は平然と答えた。 「だって、それ薄めだから。触れるのは濃い桃源茶だけだ」 「何で濃いのを出さないのよ?」 「触ったらきっと戻れなくなる。神様の御利益にこれ以上深入りしちゃダメだ」 バイト君はユキトの縄を解きながら言う。 「実際にこの席を予約したのも、縛ってでも彼を連れてくるよう言ったのも、あの時いた神様だ。貴女はただ身の上話して泣いてただけ」 「そもそも人間の指図で、縛ってまで死者を連れてくる無茶しないから」 カウンター席のキツネ男が笑いながら付け加える。 「泣きながらも、過去の事として話してた。だからこそ神様も手を貸した」 この状況は、あの時の神様が用意してくれたものだった。 自由になったユキトは立ち上がって、私に近づいた。
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