お菓子の国の午後3時

　お菓子の国の住人は、お菓子が大好きなので、街もお菓子であふれています。道路の石畳は板チョコ模様で、街灯の明かりの部分は苺の形をしています。道端のオブジェはカップケーキ型です。
　そして、お菓子の妖精たちが住む家も、壁はピスケット型のレンガでできていて、フルーツ型の小窓がついています。
　これら、街を彩るお菓子たちは、さすがに食べられません。すべてイミテーションですよ。

　お菓子の国の東の方にある、マカロン市ストロベリー町10番通りの小さな一軒家に、マナというお菓子の妖精の女の子が住んでいました。
　マナは、午後3時になると、小さなパンケーキを一個食べます。これがマナの一日の食事です。お菓子の妖精の食事は一日一回、午後3時のお菓子のみなのです。
　マナは少食なので、小さなパンケーキ一個でお腹いっぱいでした。