お菓子の国の午後3時

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 お菓子の国の午後3時の鐘がなりました。 マナは、ちょうどパンケーキを作ったところでした。 「マナ、ただいま」  ビルが仕事場から帰って来ました。 「おかえりなさい。はい、今日は苺のパンケーキだよ」 「うん、マナのパンケーキはやっぱりおいしいよ」  マナのパンケーキは、結婚してから少しづつ大きくなっていきました。ビルにたくさん食べてほしかったからです。なによりマナは、以前より元気になっていました。 「ビルのクッキーもおいしいわよ」  実は、ビルのクッキーをおいしいと思っていたのはお菓子の国でマナだけでした。好きな人の作ったお菓子はおいしく感じるのです。(これを、お菓子の国のことわざで「恋は盲舌」といいます)  マナとビルは、生涯人間界とは無縁でしたが、お菓子の国で、とても幸せに過ごしました。  
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