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放課後それは秘密の時間
放課後、私とほのかは先生に教室に残された。
「ねえ、ひなたー。残されちゃってラッキーだね!
イケメンな先生に居残り命令されるなんて。今日サイコーにハッピーだよー。」
まだ先生は来てなかった。
実をいうと、ひなも嬉しかった。
「ほのか----」
「お!帰ってなかったのか。偉いなぁ」
ほのかに一目惚れしたことを伝えようとした時、
運悪く先生が教室に入ってきた。
「帰ってなかったのかって残したの先生じゃないですか!」
とほのか。
「私たちが帰ると思ったんですか?」
「いや、そーゆーわけじゃ、ないけどネ。」
「で、用件は何ですか?無いなら帰りますよ」
「あ、名前は?せんせー。」
「名前?さっき名乗ったぞ。聞いてなかった、
ひなたとほのかが悪い。」
せんせーはドSかもしれない。
「で、名前教えてください。」
私は頼んでみる。
「しょーがないなぁ。
神楽坂 蒼一(かぐらざか そういち)24歳だョ」
ほのかはほのかで、
「奏風(かなた:ほのかの彼氏)が待ってるから、帰るね!バイバイ先生、ひなた。」
どこまでも自分勝手なほのかだ。
先生も笑っている。
また、私の胸は騒ぎ出す。
「あはは。気をつけて帰れよ。」
今、気づいたが、ほのかが帰った今この教室にいるのは、私と先生だけ...。
そう悶々と考えていると、
「なあ、ひなたって徒歩通?
少しくらい遅くなってもだいじょーぶ?」
「あ、はい。ですが、ほのかも帰ったし、
そろそろ私も帰りたいです。」
すると先生は少し考え、
-考えてる姿もカッコイイ!-
「うーん、、、担任としては帰したいとこなんだけどネー。ま、あの生意気なほのかが帰ったから、ナンパしようとした訳よ。」
へーそーですかぁ。
って、えええぇぇぇぇ!!!
ナナナナ、ナンパ?!
ちょっと待って、落ち着けひな!
ひながこのようにテンパっていると
「あはははは!やっぱひなた、面白いね笑。
部活は?なにやってんの?」
盛大に笑われた。
部活?そんなもの聞いてどうすんの?
って思ったけど、先生に知ってもらうチャンスだと思った。
「ほのかと同じ、女子テニス部です。」
自慢じゃないけどうまい方だ。
伝えた後、先生を見るとフリーズしていた。
「え、ひなた、テニスできんの?」
「できます。」
「嘘はダメだよ!」
「ほんとです。」
「え、できんの?」
「できます。先生、しつこいです。」
こんなやり取りを少し繰り返す。
やっぱり先生はドSだ。
そう確信した。しかし、次の瞬間…
「じゃあ、顧問として、1年よろしく」
「あ、はい。ってえええぇぇぇぇ!顧問ですか!
なんでですか!せんせー!」
完璧にパニックになってしまったひな。
そんな私をおもしろそうに眺めているイケメンな先生。
「ひなた!反応面白すぎ!ああーぁもう!やっぱ、帰したくなくなる。」
そんな私の胸が騒ぎ出すようなことをサラっと言ってのける先生。
そんな先生を見る度、話す度に『好き』っていう気持ちが高まる。
これからどうしよう?
先生を見ると顔が赤くなってしまう。
これはほのかに伝えなきゃ!
「先生の担当教科は何ですか?」
先生にいじめられる前に、聞いてみた。
「んー。体育。でも、数学、社会なら教えられるヨ。なに?特別授業でもして欲しいの?ひーなーたちゃん?」
やっぱりいじめられた。
恥ずかしいのもあるけど、
こんなに胸がキュンキュンするのは、なんでだろう?
「それは、放課後ですか?」
「そーだよ。」
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