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母さんから始まり、俺、小春、父さんの順に自分のニオイを擦り付ける母猫。
「ニャオーン」
まるで母猫は
『私達を捨てないで』
と言わんばかりに目をうるうると潤ませる。
「あ…ああ……。」
母さんは母猫の瞳に観念したようだ。
「仕方ないわね…。」
母さんはクスクスと少し苦笑いすると席を立った。
少ししてキッチンに戻って来ると財布を持って来た。
「暁斗、小春。どっちが猫の餌を買いに行くの?」
「あ!私行く!!」
「俺だって!!」
と俺と小春はほぼ同時に挙手をする。
「なら、ふたりで仲良く買いに行きなさい。」
と母さんは言った。
俺と小春は目を輝かせた。
あの猫嫌いな母さんが許してくれたのだ。
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