福福ちゃん、現る

3/13
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/160ページ
どこからともなく声があった。 少年のようなひどく幼い声だ。 少しエコー混じりでスピーカーから出ている風であるが、それは違うようだ。 誰にも聞こえない、大輔がキョロキョロするとまた声がする。 【おいバカ、こっちこっち。窓んとこゾ】 病室の窓の外、カーテンの横っ面あたりに黒いシルクハットが浮かんでいた。 「フェバッ!?」 【なんちゅうリアクションゾ?気色悪いゾ】 シルクハットがふわふわ浮かぶ。 「な、なに?バケモノ?!嫌っ!南無三っ!」 【てめぇもバケモノだろうがゾ!】 窓が勝手に開き、シルクハットが侵入してくる。
/160ページ

最初のコメントを投稿しよう!