6人が本棚に入れています
本棚に追加
/160ページ
どこからともなく声があった。
少年のようなひどく幼い声だ。
少しエコー混じりでスピーカーから出ている風であるが、それは違うようだ。
誰にも聞こえない、大輔がキョロキョロするとまた声がする。
【おいバカ、こっちこっち。窓んとこゾ】
病室の窓の外、カーテンの横っ面あたりに黒いシルクハットが浮かんでいた。
「フェバッ!?」
【なんちゅうリアクションゾ?気色悪いゾ】
シルクハットがふわふわ浮かぶ。
「な、なに?バケモノ?!嫌っ!南無三っ!」
【てめぇもバケモノだろうがゾ!】
窓が勝手に開き、シルクハットが侵入してくる。
最初のコメントを投稿しよう!