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ゆっくりのっそり、それはやってきた。
クリーム色の毛並みにあどけないタイガーアイの子猫だった。体長は普通の子猫ほどであるが、何故か二足歩行の変わった品種だと大輔は無理に納得する。
「にゅん、もふもふだ」
【触るな!触るな!男の、いやむしろ独身男の汚い手で触るなゾ!】
シルクハットを被った子猫は持っていた杖で大輔の喉仏を一撃。
「いったっ!?これ超いてぇ」
【当たり前ゾ。霊魂の弱点は喉仏だからなゾ】
自慢げに腰に手を当てる。
「あ、あのこれって...」
【我が死神ゾ。生きたければ我の言う事を聞くのだゾ】
死神。言葉とは裏腹、大輔の想像していたのとはだいぶ違う。目の前にいるのはぬいぐるみのような子猫なのだから。
「やっぱ、俺は死んだの?」
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