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動き出す憎悪
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クタクタになってから学校へ来るのは酷。だと【成田翔】は汗を拭く。
陽炎揺らめくアスファルトに肩を落とし、持ちたくもないバックを今一度握りしめる。
朝から実家の商店を手伝っていたせいで、眠気さと脱力感に襲われていた。
鳴き叫ぶセミの声を鬱陶しく思う頃、成田は学校へ着く。
家からは歩いて数分程度なのにもかかわらず、まるで砂漠を歩いたかのような疲労が襲う。
成田が学校へ到着したのは15:50、下駄箱で千歳とすれ違う。
「お、なんだもうお帰り?」
「なんだ成田かよ、ビックリさせんなって」
「いつからそんなビビリになったんだ?」
千歳はどことなく、人やモノに無関心な所があり、よく感動モノの映画や恐怖系動画も全く動じない男だ。
ひょろりとモデル体型で表情が読めないことから女子には結構モテる。
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