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レオはギルドの裏通りで屈強そうな戦士に声をかけていた。しかし、戦士は追い払うように去っていった。
彼はめげずに他の戦士に声をかけた。しかし、結果は振るわなかったようだ。
「難しいもんだな…」
シリーはニッと笑うと「レ~オ~にい!」と後ろから声をかけた。
「何だ、シリーか」
「珍しいね。レオ兄が勧誘するなんて」
「イドマ隊も数が少ないからな。大翔任せにしないで…俺も協力しねーと」
レオはその後も声をかけたが、戦士たちのほとんどは相手にせず去っていく。
「もしかして、オイラたちじゃ若すぎて相手にされないんじゃない?」
「でも、このままじゃ戦士不足だろ。隊長も書類が溜まってるみたいだし…」
「そうだねぇ」
シリーは街並みを眺めると、その焦げ茶色い目がひとりの戦士を映した。
「あの人…どうだろう?」
レオは訝しい表情で戦士を眺めた。種族はリオーガ。ピューマ風の大柄の女性だった。短剣を2本腰に差し、防具といえばブレストプレートくらいだが、傷はほとんど見当たらない。
「おいおい…伊達冒険者じゃないだろうな?」
「違うよ。あの人からB6さんのようなにおいするから、相当深い階層に潜ってる」
「なるほど」
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