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『何だい?』
「ジーナ宛てだ。工房に興味があるなら、いつでも見学に来いとオヤカタが言っていた」
『わかった。伝えておくよ』
ベアトリスは「では…」と言うと中隊長室から立ち去った。
『隊長、書類が、できました』
「あ、ああ!」
イドマに書類を手渡すと、彼は1枚1枚丁寧に目を通した。
「完璧だ。預かろう」
彼は手慣れた様子で書類を纏めた。
「ところで、新人たちの訓練は順調かな?」
『また始まったばかりですが、飲み込みが早いとシンシア隊長もミケさんも言っています』
「それはよかった!」
「イドマ隊長」
やってきたのはミケだ。彼女は僕がいたことに驚いていたが、すぐにイドマに近づいた。
「どうしたミケ君?」
「レオが動かなくなったのですが…」
僕はハッとしてミケに目をやった。確かレオは彼女と演習していたはずだ。
『あの…レオの奴、ダイス、振りません、でした?』
「ああ、ダイスオブ…とか言いながら振ってたね」
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