イドマ中隊

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 僕は選挙に落選したはずだ。どうして、ここにいるのだろう。それもネック隊長より上座に座っている。  ギルド長も他の中隊長も、当然のように会議を進めていた。 『あの…』  他の中隊長たちは、意見交換に夢中なようだ。さらにはっきりと『あの…』と声を上げると、イドマ隊長は僕をちらっと見たが、すぐに隣のマッジ隊長に話しかけられ、話し合いを続けた。 『あ、の!』  やっと全員が僕を見た。 『僕は、落選、したはず…ですが?』  そう尋ねると、メチルはおもむろに選挙用紙を出した。 「よく見たまえハルト君。この選挙は当選人数までは指定していない。3人全員を中隊長にしてもかまわないのだよ」  何という屁理屈を。そう思った時、イターノ隊長も笑みを浮かべながら言った。 「まあ、メチル隊長の冗談はさておき、次回の中隊長選挙では、確実に君は中隊長になるだろう。今のうちに幹部会議の空気に慣れておくべきかと思ってね」  ギルド長も頷いた。 「厳密には、君はオブサーバーという扱いになっている。気になったことがあれば、遠慮せず質問して欲しい」
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