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イドマ中隊
『ミケさん、ココとファファに、修行を付けて、頂いても、構いませんか?』
「もちろんです。それから…シリーはどこですか?」
僕が水場に目を向けると、シリーは一生懸命にシーツや衣服を洗っていた。その側には血塗れのシーツが山になって置かれている。
見るに見かねたファファはミケにお辞儀をした。
「すみませんミケさん、少しシリーちゃんの手伝いをしてきます」
「わ、私も行って来ます!」
ミケは3人の後ろ姿を見守っていたが、やがて自分も洗濯を始めた。
「ココ、もっと腰を入れて! そんな濡れたままじゃ乾かないよ!」
「は、はい!!」
あの3人のことはミケに任せておこう。
イドマ隊長の部屋へと向かうと、ベアトリスの姿があった。
「なるほど。部屋か」
「はい。最近多忙なので…」
ベアトリスが個室を欲しがっているという話は、どうやら本当だったようだ。
「わかった。ロベルトに相談してみよう」
「すまない」
部屋を去るベアトリスと目が合った。
「ハルト、ちょうどいいところにいた」
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