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「触らないでって言ってるでしょ!」
必死に抵抗し、なんとか栗山から離れた。栗山は、俺から一歩距離を置くと、怒りの矛先を、別方向に向けた。
茅ヶ崎を、つまり神楽裕樹を睨みつけたのだ。
「誰だか知らないけど、君みたいな不細工が俺の彼女に絡むのは、止めてもらえるかな! 俺はさ、彼女が別の男と話をするのを想像するのも嫌なんだよ!」
栗山は俺のつま先から足首、太もも、スカート。それから、腰のラインを通って胸を舐めるように見ると、舌を出して口のまわりをなめた。
ゾクゾクッと、背筋に寒気が走った。
はっきりと真実を言ってやりたいのは、やまやまだが、まさか、俺と茅ヶ崎が入れ替わってるなんて言ったところで、生肉を食い散らかすような金髪ドブネズミ・ゴリラ男に分かってもらえるはずがない。
茅ヶ崎の方に目をやった瞬間、栗山に両肩を掴まれた。
栗山の唇がゆっくりと、確実に近づいてくる。
やめろ、やめろ、やめろーーーーーーーー!
待て待て待て待て待て待てーーーーーーーー!!
発狂しそうだ。
ファーストキスが、こんなチャラ男でいいはずがない!
必死に、力を振り絞って、体をくねられた。
逃げようとしたが、栗山の力が強いのと、茅ヶ崎の身体が本来持つ力では、栗山を振り払う力が出ない。
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