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茅ヶ崎本人は話したくなさそうだが、茅ヶ崎には聞かなければいけないことがある。
「ちょっといいか」
そう言うと茅ヶ崎は、申し訳なさそうに俯き、ちらっと上目遣いでこちらを見た。
首を傾げて、瞳をうるうるさせている。
「そういう顔をしても、神楽裕樹の顔だと、全然かわいくないぞ。いや、そう言う問題じゃない。もう一度確認しておくが、茅ヶ崎は栗山と無理矢理付き合ってるんだな?」
「今はそうなの。別れたいんだけど、別れてくれないのよ。栗山君を好きだなんて気持ちは、今となっては、これっぽっちもないのだけれども。ずるずると付き合って三ヶ月になるの。私の責任なの……。ごめんなさい」
きっぱりとした声が返ってきた。
いろいろと疑問はあるが、栗山のさっきの態度を体験させられると、言葉以上に説得力があった。黙って、受け入れてやるのが、男というものだ。
今は、女子高生だけど……。
それを言い出すとややこしいので、入れ替わってしまった以上、それについてあぁだこうだ言っても仕方ない。
「――俺に任せろ――――」
私に任せろ? の方が正しのか?
……まあいいか。
「何するつもり……?」
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