3. JKのファーストキス

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「任せてくれるなら、いい考えがある」  ――そう。  金髪ドブネズミ・ゴリラ男・栗山の泣きべそをかかせてやる、いいアイデアをひらめいた。  これから俺のバイトがある。  バイトは、隣町のドレミファバーガーだ。  俺は同じ学校の生徒と会わないようにと、わざわざ隣町で、駅から離れた店舗をアルバイト先に選んだ。  茅ヶ崎にバイト先での、仕事内容と人間関係を説明しながら、店の前まで一緒にやって来た。  そして、俺が茅ヶ崎を栗山から救い出す作戦場所に選んだのもここだ。なぜなら、俺はここのドレミファバーガーのことなら、知り尽くしている。  常連客が、何時にやって来て、どの席に座るのか。何を頼んで、どのように時間を使うのか。ひとりひとり完璧に把握している。店内の席の配置も、もちろん完璧だった。  茅ヶ崎がレジに立つと、俺は客として入店した。  ハンバーガーとジュースを注文して、茅ヶ崎の仕事ぶりを拝見。  さすがに優等生はなんでもこなせるな。  俺は、店内を見渡し、今日の作戦に適した場所に座った。この席は、壁と鏡と座席の方向により、入ってくる客からは見えないが、こちらからは店に入って来る客の後ろ姿が見える。つまり今回の作戦には、うってつけの場所だ。
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