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深呼吸して――
「ふざけんじゃねえよ!」
気づいたときには、おもいっきりグウで頬をなぐっていた。
俺の意思ってか、茅ヶ崎の意思って感じもするけど……。
まぁどちらにしても思いの外、すっきりしたのは確かだ。
「最低! 二度と私の前に現れないで!」
涙目になっている栗山を見てスカッとした。
栗山のポケットから、スマホを取り出し、連絡先から、茅ヶ崎の名前を消去すると、テーブルの上にスマホを叩きつけた。
その勢いのまま、俺はお店を出ると、しばらく歩いた。
曲がり角までくると、肩の力は抜けていた。
「おーい!」
手を振りながら、茅ヶ崎が後を追いかけて来る。追いつくと、隣を並ぶようにして歩き出した。
「バイトは?」
「早退させてもらった」
茅ヶ崎は息を弾ませて歩く。
「さっきの、やりすぎだった?」
「ううん。全然。正直、感謝の気持ちでいっぱいなの。これで何もかも良かったと思ってるの」
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