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「お姉様、私の可愛さに見とれていましたか？」
いや、なんでもない。ただ、二人で仲良く登校している姉妹がこの世の中に存在していることに驚いている……。
――本当に美しい光景だ。
「それではお姉様、今日も素敵な1日をお過ごしくださいませ！」
と、校門まで見送られて「ありがとう。美織もな！」と、手を振った。
校庭を歩いていく。
出来るだけ目立たないように、端っこをこっそり……。
そでも、生徒からの視線が突き刺さって痛い。
想像以上の視線の数に圧倒され、右手と右足が一緒に出てしまう。
――背筋を伸ばして、きびきびと。周囲には、終始笑顔で対応しなければいけない――。
これが茅ヶ崎雪菜であり、まさに学内の憧れ。
――田辺第一高校が誇る、高級ブランドなのだ――。
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