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下駄箱を見つけて、上履きに履き替える。顔を上げると、ブランドを作った張本人が、ご丁寧にあいさつを交わしてきた。
「神楽君、おはよう!」
「ここでその呼び方は、まずいだろ……?」
「ロボットのように歩いている誰かさんよりは、ましだと思うわ。校門から後を付けさせてもらったのだけれども、見ていられなかったわ。ウォーキングの練習が必要そうね。そこまでは、私も考えが及ばなかったわ。私が悪いのよ。本当にごめんなさい」
えっと……、おちょくられているのか……、真面目に対応されているのか、分からん……。
「緊張してるんだよ」
「肩の力を抜いて、普通にしていればいいのよ。別にアイドルという訳ではないのだから。その辺を勘違いしていると、妬みや嫉妬をかってしまうことになりかねないわ」
いちいち嫌味の多いやつだな。
「はいはい。分かったよ」
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