23. 転校生

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「で、筆跡の練習はできたのかしら?」 「まあ、努力はしたつもりだ」 「そう。それじゃ楽しみにしているわ。私は、ぼっちの神楽君を堪能させてもらうわ。席に座ってれば、それだけでいいのでしょ。楽でいいわ。ぼっち瞑想でも始めようかしら」  廊下を歩きながら、ぶつぶつと呟き、俺の後をずっとついてくる。 「ほらっ、教室に入るぞ」  と、茅ヶ崎の嫌味を制した。  足が勝手に、いつもの自分の席に向かう。 「ちょっと! ついてこないでよ。席あっちでしょ」  おっと。条件反射というやつだ。  一瞬クラスメイトの視線が2人に集中した。 「ほら、笑顔! 笑顔でみんなが安心するから!」  茅ヶ崎スマイルだな。  よしっ! 分かった!
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