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「で、筆跡の練習はできたのかしら?」
「まあ、努力はしたつもりだ」
「そう。それじゃ楽しみにしているわ。私は、ぼっちの神楽君を堪能させてもらうわ。席に座ってれば、それだけでいいのでしょ。楽でいいわ。ぼっち瞑想でも始めようかしら」
廊下を歩きながら、ぶつぶつと呟き、俺の後をずっとついてくる。
「ほらっ、教室に入るぞ」
と、茅ヶ崎の嫌味を制した。
足が勝手に、いつもの自分の席に向かう。
「ちょっと! ついてこないでよ。席あっちでしょ」
おっと。条件反射というやつだ。
一瞬クラスメイトの視線が2人に集中した。
「ほら、笑顔! 笑顔でみんなが安心するから!」
茅ヶ崎スマイルだな。
よしっ! 分かった!
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