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「なるほど。それで、リンが助けを求めて来たってわけか」
「助けを求めてきたとはどういう意味かしら。それに、南野さんをリンと呼ぶからには、面識があるということかしら……。ぼっちなのに、意外だわ」
「海水浴場で会ったろ。木の影から覗いていた女の子。あの子がリンだよ」
「あぁそう言えば……。それで、助けを求められた、と言うのは?」
トレイでの出来事を話すと、茅ヶ崎は腕を組んで目を少し尖らせた。
「リンさんは一年三組よ。同じクラスに少々問題のリーダーがいるの。その子の名前は、遠藤洋平君。パソコンに詳しい子で、ハッキングする技術なんかも持ち合わせてるって噂。それで、クラスメイトの個人的な会話とかも、盗み聞いたりしてるとか……。あくまで噂でしかないのだけれどもね」
「そんで、遠藤ってやつと、リンが何か関係があるって言うのか?」
「それを今から確かめに行きたいの。学校として正式に活動許可を得ているのは、茅ヶ崎雪菜の方だから、神楽君もちろん手伝ってくれるわよね。まあ、断る理由なんてないと思うのだけれども」
――個室で、相談を持ちかけられたのは俺だ。
入れ替わっている以上は、俺の問題でもある。
言われなくても、パンツを見せてもらったお礼に、助けてあげられることがあるなら、それは――俺のやるべき事だ。
きっちりパンツのお礼は、させてもらう――!
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