27. 転校生はお◯ん◯を隠せない

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 渡り廊下を渡って、西館に入っていく。  取っ組み合いをしている者から、動画を撮って遊んでいる者までさまざまだ。 「俺達二年生とは、随分と雰囲気が違うようだな」 「まだまだ中学生気分が抜けないのよ。一年生らしくて可愛いわ。そろそろ三組が見えてきたわ。リンさんがいたら、呼び出して話をゆっくりと聞いてみたいの。それから、パソコンを開いている男の子がいたらその子は、遠藤君よ。多分すぐに分かると思うのだけど。まずは教室に入らないで、廊下を通り過ぎるだけにしましょ」 「あぁ。分かった」  一瞬、教室に目を向けて、ただ通り過ぎる。  スマホを触っている生徒や、黒板に落書きをしている生徒が見える。  遠藤は? リンは? どこだ……。  一年三組を通り過ぎて、そのまま突き当たりの階段までくると、足を止めた。 「どちらもいなかったわね。遠藤君は大抵の場合パソコンを見ているという、愛瑠からの情報だったのだけれども……。リンさんもいなかったようだし。可笑しいわね……」  茅ヶ崎が、不穏な空気を漂わせた。
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