2. JKのパンツ

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 勝手に手が、パンツに伸びていく。  まずは、落ち着け落ち着け。  深呼吸だ。  大きく息を吸って……吐く。  いいか。俺は、茅ヶ崎雪菜だ。自分の下着を着るだけだ。なにもやましいことはない。ましてや俺は、女子更衣室に侵入し、ピンクのパンツを眺めて、匂いを嗅ぐ。そんな変態では決してない。  ひと呼吸置いて、水着を脱いだ。  おお!!  胸とその先端を軽く触ってしまったが、それはちょっとした好奇心だ。許して欲しい。  弾力については、雪が降り積もった白銀の世界で、やっとみつけたましゅまろのような、幸福の柔らかさ。  鼻息が荒くなって、全身が熱い。  そうして、今気づいたのだが、俺は変態なのかもしれない……。  顔面の前に、茅ヶ崎雪菜のパンツがあるのだから…………。  ――いい香りだああぁぁぁぁ。  はあっぁぁ!!  煩悩に取り憑かれていた。  煩悩とは本当に恐ろしいものだ。    首を振って正気に戻る。  パンツを履いて、ブラジャーを着ける。これがなかなか難しい。腕を後ろに回して、フックを閉じる。思いっきり短くしたスカートから覗く素足に、成長のいい胸。風に揺れるしなやかな髪にクラクラする。  更衣室から出ると、神楽裕樹、いや、入れ替わっている茅ヶ崎が腰に手をあて、物言いたげな様子で立っていた。  頬に空気をパンパンに入れて、膨れっ面をしている。 「神楽君、私の胸、触ったのでしょ?」  げっ……。なんだよ、鋭い奴だな。  でも、あれは、好奇心という事故だ。男性としては、理性を押さえられた方だ。褒めてもらってもいいと、自負している。 「っ……あ……、それは……」 「いいのよ。触るくらい。」
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