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勝手に手が、パンツに伸びていく。
まずは、落ち着け落ち着け。
深呼吸だ。
大きく息を吸って……吐く。
いいか。俺は、茅ヶ崎雪菜だ。自分の下着を着るだけだ。なにもやましいことはない。ましてや俺は、女子更衣室に侵入し、ピンクのパンツを眺めて、匂いを嗅ぐ。そんな変態では決してない。
ひと呼吸置いて、水着を脱いだ。
おお!!
胸とその先端を軽く触ってしまったが、それはちょっとした好奇心だ。許して欲しい。
弾力については、雪が降り積もった白銀の世界で、やっとみつけたましゅまろのような、幸福の柔らかさ。
鼻息が荒くなって、全身が熱い。
そうして、今気づいたのだが、俺は変態なのかもしれない……。
顔面の前に、茅ヶ崎雪菜のパンツがあるのだから…………。
――いい香りだああぁぁぁぁ。
はあっぁぁ!!
煩悩に取り憑かれていた。
煩悩とは本当に恐ろしいものだ。
首を振って正気に戻る。
パンツを履いて、ブラジャーを着ける。これがなかなか難しい。腕を後ろに回して、フックを閉じる。思いっきり短くしたスカートから覗く素足に、成長のいい胸。風に揺れるしなやかな髪にクラクラする。
更衣室から出ると、神楽裕樹、いや、入れ替わっている茅ヶ崎が腰に手をあて、物言いたげな様子で立っていた。
頬に空気をパンパンに入れて、膨れっ面をしている。
「神楽君、私の胸、触ったのでしょ?」
げっ……。なんだよ、鋭い奴だな。
でも、あれは、好奇心という事故だ。男性としては、理性を押さえられた方だ。褒めてもらってもいいと、自負している。
「っ……あ……、それは……」
「いいのよ。触るくらい。」
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